日本ヴァイオリン

A violin by Ansaldo Poggi 1947
"ex-Nathan Milstein"

アンサルド・ポッジ 1947年製 "ex-ナタン・ミルシテイン"

20世紀代表するイタリアモダン製作家でありますアンサルド・ポッジ。第二次世界大戦の終結後、彼は再び故郷ボローニャにて精力的に製作に打ち込みます。しかし戦後のイタリアの経済が厳しいものだったため、本ヴァイオリンの製作された1946年から48年頃まではチューリッヒにアトリエを移していました。それを裏付ける事として、本ヴァイオリンのラベルにそれが記されております。
そのチューリヒにて彼の類稀なる才能を認めた現地のBänziger社は、彼に協力して楽器を地元で販売する事を約束しました。そのおかげもあり、彼は生計を立てる事が出来たようです。
1947年製のこのヴァイオリンは師であるフィオリーニの影響から離れ、ポッジ独自のスタイルを確立した自信に溢れた第二黄金期と呼ばれる時期の作品で、本作品はかつての巨匠、名ヴァイオリニストであったナタン・ミルシテイン(Nathan Milstein)本人が所有していたヴァイオリンです。独特の切れ長に彫られたコーナーのパフリングに、ボディからスクロールすべてが精巧で美しいつくりをしており、その音は気品と力強さを兼ね備えた素晴らしいものです。

製作地
スイス チューリッヒ
カテゴリ
モダン