日本ヴァイオリン

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貴重なジュゼッペ・アントニオ・ロッカ1855-60年製のヴァイオリンをご紹介いたします。

2022.11.09

Giuseppe Rocca 1855-1860
ジュゼッペ・アントニオ・ロッカ1855-60年製

ロッカは19世紀イタリアのヴァイオリン製作者の中でも最高峰に位置付けられており、トリノの名工、プレッセンダのアシスタントとしても活動していました。
1942年、プレッセンダの工房のもとを訪れたルイジ・タリシオが持ち込んだストラディヴァリウス“メシア”とグアルネリ・デル・ジェス“アラール”というニ挺の名器を目の当たりにして以降、そのコピー製作に邁進することになります。1855年頃製作のこの作品もストラディヴァリウス“メシア”のモデルが用いられ、潔いウッドワークと繊細に薄く均一に仕上げられたニスからは、その鮮やかな手つきとストラディヴァリに対する深い敬意を感じとることができます。
ロッカは音に対する試行錯誤と改良を終生続けており、そのフラットなアーチからは輝かしくも奥深い音色が生まれ、ロッカならではと言える太く力強い音量をも兼ね揃えています。

ロッカの黄金期と呼ばれるこの作品が製作された前後、1855年のパリ、1858年のトリノ、1861年のフィレンツェと、全ての弦楽器製作コンクールにおいてメダルを獲得しています。また、コンディションは"ミントコンディション"と呼ばれる最も保存状態の良いもので、ネックはオリジナルのまま現存する貴重な個体です。
世界的な鑑定の権威であるEric Blot著”LiuteriaItaliana”では、19世紀ピエモンテにおけるストラディヴァリモデルの優れた作例として紹介されています。

製作地
イタリア トリノ
カテゴリ
モダン

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