日本ヴァイオリン

Ansaldo Poggi 1945

アンサルド•ポッジ 1945年製

アンサルド・ポッジは、20世紀イタリアの名工であり、ボローニャ派の伝統を受け継ぐ近代イタリアのヴァイオリン製作者として高く評価されています。
ポッジはボローニャ近郊のヴィッラフォンターナ・ディ・メディチーナに生まれました。父親はアマチュアの弦楽器製作者であり、ポッジも幼少期から木工に親しみ、ヴァイオリン演奏を学びました。第一次世界大戦後、ボローニャのフィラルモニカ音楽院を卒業し、1921年にジュゼッペ・フィオリーニと出会い、スイスのチューリッヒで修行を始めました。1923年にはイタリアに戻り、フィオリーニと共に活動を続けました。
ポッジは、1923年のローマ国際コンクールで銀メダルを受賞し、その後、1925年、1927年、1929年の各年に金メダルを受賞しました。これにより、以後のコンクールへの出品が禁止されるほどの評価を受けました。生涯で製作した楽器は、ヴァイオリン322挺、ヴィオラ41挺、チェロ25挺にのぼります。
ミスティスラフ・ロストロポーヴィチ、デヴィッド・オイストラフ、ナタン・ミルシテイン、ユーディ・メニューイン、アイザック・スターンといった世界的に著名な音楽家たちも彼の楽器を愛用しました。
ポッジの工房は、1981年にボローニャ近郊のメディチーナ市に寄贈され、現在は市立博物館に保存されています。この博物館では、ポッジの工房や1933年製のヴァイオリンなどが展示されており、彼の技術と芸術性を後世に伝えています。
1945年製のこの作品は、アントニオ・ストラディヴァリのモデルを基にしたオリジナルモデルによって製作され、細部に至るまで完璧な仕上げが施されています。特に、広めのコーナー、強調されたエボニーのパフリングによる精緻なビースティング、細く鋭いf字孔、美しくバランスの取れたスクロールなどが特徴です。使用される木材とニスの品質は最高級のものが用いられており、その音色は輝かしく深い密度を備えています。

製作地
イタリア ボローニャ
カテゴリ
モダン