日本ヴァイオリン

Francesco Guadagnini 1906

フランチェスコ•ガダニーニ1906 年製

今回ご紹介する楽器製作者フランチェスコ ガダニーニは息子のパオロと共に、イタリアとピエモンテのヴァイオリン製作において3世紀にわたり存続した偉大なガダニーニ一族の最後の一人でした。
1863 年7月27日、アントニオ・ベルテロとルイジア・ベルテロの息子として生まれた彼は18歳で父が亡くなると、母、そして後に兄のジュゼッペの助けを借りて、ポー通り22番地にある父が残した工房を継承しました。
キャリアの初期、ほとんどの時間を楽器の売買に費やしていましたが、その後まもなく、自分自身の手による楽器製作に興味を示し始めました。父の弟子の中で、最後の弟子であるエンリコ・ マルケッティは、フランチェスコのヴァイオリン製作への関心に最も大きく貢献した人物と言えるでしょう。
1884年、フランチェスコは兄と共にトリノ万国博覧会に「ガダニーニ兄弟」として出展し銀メダルを受賞しました。
それから彼は数々の重要なコンクールにおいてたくさんの輝かしい功績を残していくこととなります。
順風満帆かに見えた彼ですが晩年、大きな悲しみに襲われます。
息子パオロの早すぎる死と空爆による自身の工房の喪失です。
晩年は トリノのヴァレッジョ通り24番地で過ごし、1948年12月15日に亡くなりました。

世紀の変わり目にかけて、フランチェスコは最高の楽器を製作しました。これはおそらく、 オッドーネ、ファニョーラ、グエッラといった若い同僚たちが醸し出す刺激的な創作環境のおかげ でしょう。彼の楽器のモデルは、先祖であるG. B. グァダニーニにインスピレーションを受け、 当時の嗜好に合わせてアレンジされています。彼の楽器のラインはより明確で対称的であり、角はより直角になっていますが、全体的な外観はG. B. グァダニーニを彷彿とさせ、その音色は輝かしく力強い密度を備えてます。

製作地
イタリア トリノ
カテゴリ
モダン