日本ヴァイオリン

Jean-Baptiste Vuillaume 1860

ジャン・バプティスト・ヴィヨーム1860年製

ジャン・バプティスト・ヴィヨームは1800年代中頃、パリにおいて最も重要な楽器商、ヴァイオリン製作家、そして発明家でした。ヴィヨームは、それまでのバロック・ネックから、より力強い音の出せるモダン・ネックを考案し、今日のモダン・ヴァイオリンの原型を作った人物でもあります。
またドミニク・ぺカットをはじめとする多くの重要な弓製作家達が彼の工房に勤めており、当時フランソア・トルテによって考案されて間もないモダン・ボウを広く普及させました。
ストラディヴァリウス、グァルネリ・デル・ジェスを最高の名器としての評価を決定づけたのは、ヴィヨームがそれらの真価を明確に見抜いて数多く蒐集・販売を行ったからとも言われています。
1855年、ヴィヨームはイタリアの楽器商ルイジ・タリシオから25挺のストラディヴァリウスを含む144挺のオールドイタリアン・ヴァイオリンを購入しました。そしてその名器の数々から正確なデータを採り、素晴らしいコピーを数多く残しています。
このヴァイオリンが製作された前後、1860 年にはドゥムール・テルヌ通りのより広い敷地に移転し、より多くの優れたアシスタントを雇いました。この時期の作家達が後にミルクール、ミッテンヴァルトにおいて量産体制の礎を築くことになります。
彼の工房は3,000挺以上の楽器を製作し、このヴァイオリンのラベル上部には「2000」のシリアルナンバーが他のヴィヨーム個体に見られるのと同様に鉛筆で記されています。

均整のとれた誇張のないストラディヴァリウスのモデルが用いられ、暖かみのある繊細なニスを纏っています。
その音色は輝かしく深みを持ち、大ホールにおける演奏家のニーズを遍く満たしています。

製作地
フランス パリ
カテゴリ
オールド