日本ヴァイオリン

Antonio Gragnani 1777

アントニオ・グラニャーニ1777年製

アントニオ・グラニャーニは1740年、トスカーナ地方の海辺の都市リヴォルノで生まれ、生涯に亘ってそこを拠点として活動しました。
イタリアのフィレンツェで学んだとも言われていますが、彼の作品のスタイルは他の18世紀のフィレンツェのメーカーのそれとは大きく異なっています。
彼のヴァイオリンのほとんどはストラディヴァリウスのパターンが用いられていますが、純粋に模倣するだけでなく、アマティに近い優美なラインが各所に見受けられます。スクロールは細長くユニークなスタイルを持ち、そこには綿密な職人技とセンスに支えられたキャラクターが顕現しています。
大きな特徴の一つとして、パフリングの材料に鯨の髭が用いられており、イタリアにおいては他に例のない特徴です。リヴォルノという海沿いの都市を拠点に活動していたため、内陸のメーカー達が入手できない特殊な素材を楽器作りに用いることができたと考えられています。

1777年製のこのヴァイオリンは、豊満なアーチにゴールデンブラウンのニスを纏い、その音は色彩のある明るさと深い銀色の豊かさがあります。その表現力から数々の演奏家達に愛用されてきました。

製作地
イタリア リヴォルノ
カテゴリ
オールド