日本ヴァイオリン

Gio Batta Morassi 1968

ジョ・バッタ・モラッシ 1968年製

20世紀後半のクレモナを代表する製作家であり、また指導者としても優れており、現在活躍している多くの製作家達を輩出しました。
1934年ウーディネ県のチェダルキスで木工業を営む一家に生まれました。
1955年クレモナのヴァイオリン製作学校を卒業し、同時にピエトロ・スガラボットが製作学校の教授に就任しますが、以降は彼の助手として働きました。
その後、ジュゼッペ・オルナーティ、フェルディナンド・ガリンベルティが修復講座を教えるためにクレモナに来たことにより、その後の作風に大きな影響を受けることになります。
1960年代を境に、ミラノ派の影響の色濃い柔らかく丸みを帯びたラインを好み、後の弟子たちにもそれは受け継がれています。
1971年には主任教授となり、1976年、工房をラナイオーリ通りに移転し、クレモナ市における最も重要な工房のひとつになりました。その後1983年まで教職をつづけ、生涯に亘り材料と構造における研究と実験を繰り返し、古典的なクレモナのスタイルと彼自身のモデルに基づく、音質の優れた数多くの作品を残しました。2018年惜しまれつつもこの世を去りますが、工房は息子のシメオーネと甥のジョバンニ・バッティスタによって受け継がれています。
若かりしモラッシによる1968年におけるこのヴィオラは、王道ともいえるごまかしのない作りと優美なラインを持ち、大きな発展性を秘めた芯のある力強い音色を備えています。

製作地
イタリア クレモナ
カテゴリ
モダン