日本ヴァイオリン

Topics

日本ヴァイオリンソサエティ : ヴァイオリン無償貸与者募集のお知らせ Giuseppe Antonio Rocca c.1855

2024.01.19

日本ヴァイオリンソサエティ会員かつ楽器のオーナーである竹内真様から、昨年のファニオラ製作のヴァイオリンとチェロの貸与募集に引き続き、新たにヴァイオリン貸与の申し出がございました。

今回新たに貸与ご提供されますヴァイオリンは、Giuseppe Antonio Rocca(ジュゼッペ・アントニオ・ロッカ)です。
ジュゼッペ・ロッカは名工プレッセンダの弟子であり19世紀のイタリアを代表する製作家として特筆すべき製作家の一人ですが、その音はまさにソリスト向けであり、極めて高いレベルで音楽家をサポートする素晴らしい逸品です。

弊社は楽器オーナーの竹内様と共に、選び抜かれた名器の貸与を通じて世界で活躍する演奏家の更なる飛躍のお役に立てればと思っております。
応募される方々の自己PR文、演奏動画は、一つ一つ真剣に拝読・拝見させていただきます。皆様の想いが感じられる応募を心よりお待ちしております。

[楽器オーナー様からのご挨拶]
竹内 真 様
ビジョナル株式会社 取締役 CTO / 株式会社ツクルバ 社外取締役 / 一般社団法人日本CTO協会 理事

大学生時代にギターを手に取り、一時期はシンガーソングライターとしても活動。28歳を区切りに音楽を辞め、ビジネスの世界へ。昨今は仕事以外の活動として、昔の自分のように、経済的課題から創作活動や文化活動を断念せざるを得ない、才能の活動を応援するために、アートや音楽の領域を支える裏方として活動中。

ヴァイオリンに関して

そのヴァイオリンをぐるっと見回しても、大凡神経質という言葉が当てはまらないであろう、ワイルドでロックンロールな作り。現代の陶芸家で言えば、辻村史郎を感じさせる、見るからに格好良い楽器。しかし、一度弾いてみると、低音の包容力、中音の色気、そして高音は伸びやかであり、美しい鳥の鳴き声のような心地良さ。結局のところ、感性が豊かであるが故に傷付きやすく、しかし他人想いが故におどけてみせた。そんな作り手の人生は、ボラティリティ高く、痛みも苦しみも幸せも全部受け止め続け、繊細さを持ちながら心がおおらかに育った人間の、卓越したバランス感がこの楽器の音に表現されているような感動を覚えました。もちろん、私は彼の人生について何一つ調べたことはありませんので、嘘八百であります。しかし、この楽器の音にはそんなストーリーを感じさせます。こんな物語を、言葉にならない感動を、美しく弦を震えさせることで伝えたい、こう感じてくれるような奏者にぜひ弾いていただきたい、素晴らしいヴァイオリンです。

楽器紹介

ヴァイオリン : Giuseppe Antonio Rocca c.1855

ジュゼッペ・ロッカは19世紀イタリアのヴァイオリン製作者の中でも最高峰に位置付けられています。
1834年にトリノに拠点に、名工プレッセンダ(1777-1854)の工房で学んだ後、自身の工房を構えます。
特に1840年以降はクオリティの高い見事なヴァイオリンを製作し、トリノとジェノヴァのエキシビジョンでは数々の賞を受賞し大きな注目を浴びました。
歴史的なコレクターであり、ディーラーであったルイジ・タリシオと親交があり、タリシオのコレクションとして知られる名器ストラディヴァリウス1716年製作 ”メシア”に出会うと、 それ以降、ストラディヴァリウスに影響を受け続け、研究を重ねながら独自のスタイルを完成させていきました。
ロッカの高い音響性能への追求は類を見ず、そのこだわりは材質選びにも特徴が現れています。ジュゼッペ・ロッカの黄金期は1840年代、50年代と言われており、所有する著名な音楽家にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスター、アルバン・ベルク弦楽四重奏団の第一ヴァイオリン奏者などをを歴任したヴァイオリニスト、ギュンター・ピヒラーも黄金期のロッカをメインの楽器として現在も演奏しています。

今回のジュゼッペ・ロッカはまさにその黄金期の集大成ともいえる1855年頃に製作され、終生製作し続けたストラディヴァリウス “メシア”のパターンにより製作されています。
また、1974年にWilliam Moennig & Son社(当時の米国最大の楽器商社)が発行した証明書の中には、ロッカ自身が音響性能が高い材を裏板に選択したと書かれていることから、 こだわり抜いた楓材が裏板に使われているのもユニークな特徴です。
その音は芯のある十分な音量に加え、歴史を感じる奥深い音色を備えており、国際的に活躍するソリストの高い要求を満たします。

応募資格
ヴァイオリンの演奏経験がある方
※プロ、アマチュアの区別、過去のコンクール受賞歴などは問いません。
貸与楽器
ヴァイオリン : Giuseppe Antonio Rocca c.1855
貸与期間
2024年3月から2026年2月までの2年間(実績に基づいて延長の可能性あり)
費用
無償(楽器保険料も楽器オーナー負担となります)
応募要項
  • ① お名前
  • ② メールアドレス
  • ③ 年齢
  • ④ 現在使用されている楽器とその年号
  • ⑤ 自己PR(プロフィール含む400文字以内)
    この楽器貸与を通して演奏家としての活躍を目指す志や思いを述べてください。
  • ⑥ 演奏動画(YouTubeに限定公開でアップロードしていただいたリンク)
応募期間
2024年1月19日(金)~2月18日(日) : 書類審査 ※応募締切は2月18日23時59分(日本時間)となります。
2024年3月4日(月) : 書類審査結果発表(合格者のみにメールで通知)
2024年3月6日, 8日, 9日 : 対面式最終選考
結果通知
書類審査に合格された方にはご登録いただきましたメールアドレスへご連絡いたします。
最終審査に於いては、いずれかの候補日の中から楽器オーナー様、弊社との面談をさせていただく予定です。

お申し込み

Topics一覧